スラックティビズムとは、「怠け者(slacker)」と「社会運動(activism)」の合成語で、「コストをかけずに気軽に行われる」「社会的な効果がない」運動・社会活動を、批判するために用いられる言葉です。社会に意味のある影響を与えていないのに、社会にとって良い活動をしたつもりになる自己満足行為について、軽蔑を込めて使われています。
この言葉が注目を集めるようになったのは今回の東日本大震災がきっかけ。震災後にやたらと叫ばれた節電も募金も自粛も、ボランティア活動も反原発のデモも、実はスラックティビズムなんじゃないの?と言われるようになったからです。確かに「善いことをした」つもりで終わっていたり、偽善と思われても仕方ない内容だったり、というものがあったのは事実。そしてこうした現象は特別新しいわけではなく、1789年のフランス革命ですら、歴史的意義や崇高な理想など考えず、日ごろのうっぷん晴らしやお祭り気分で参加した大衆が多かったと言います。
しかし!やること為すことすべて「スラックティビズムだ」と言われてしまったら、何もできなくなるというのもまた事実。行動しなければ何も変わらないのだから、そんな考え方自体あることがおかしい!という声も強いのです。
震災ボランティアに、ハイヒールを履いて参加した若い女性がいたという噂を耳にしたことがあります。参加して役に立ちたいという気持ちと、実際の行動が伴っていない一例ではないかと思います。アクションを起こすことの重要性は忘れず、いかにしてその効果を上げるかまで考えた上での実行が求められているのではないでしょうか。(N)
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