アメリカの新聞デーリー・ニューズ紙によると、最近ニューヨークにスクイージーマンが戻ってきたそうです。戻ってきたって言われても・・・正義の味方か何かかと思いきや、これがけっこうハタ迷惑な存在なのです。
そもそもスクイージーとは、窓を拭くときに使用するT字型のワイパーのこと。これを使って、信号待ちしている車の窓ガラスを勝手に拭いてチップを要求する輩のことをスクイージーマンと呼びます。1980年代後半から1990年代初めにかけて、ニューヨークのそこかしこで大量発生。渋滞を誘発したり、チップを払わない車をわざと汚したり、さらにはカージャックまでやらかしたりという弊害を生んだため、当時のジュリアーニ市長による取り締まりの強化で一掃されました。ところがこの度の不景気で再び、ということだそうです。
アメリカでは車を持っている持っていないというのも、その人の資産状況を示す一つの目安とされるそうで、「車を持っている=そこそこお金持ち」という認識があるようです。付け加えると「バスは車を持てない階層の人の乗り物」という暗黙の了解もあり、そこにブランド品を身に付けて乗り込むのは御法度なんだとか。この辺りの感覚も日本人とはかなり違います。
日本でもこれだけ長く不景気が続くと、ジャパニーズ・スクイージーマンが現れる可能性があります。その昔、伝統芸能として馴染みの深い「獅子舞」も、頼んでもいないのに勝手にやってきて踊りを披露、その後に祝儀を強要したというような歴史があります。日本にもスクイージーマン誕生の下地は十分にあると言えます。あなたの周りにも最近やたらと優しくしてくる人はいませんか?心当たりのある方は、ポケットに小銭を用意しておいた方がいいかもしれません。(N)
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