下はサッカー・セルビア代表の、とある試合でのスターティングメンバーです。
ものの見事に「~ッチ」ばっかり。このように、スポーツの国際大会では、メン
バーの名前が似たような語尾ばかりということがよくあります。こうした類似
“姓”は世界各地にみられるようで、英語圏でよくあるのは、『ジョンソン』や
『ロビンソン』といった『~SON』が付く姓。また、北欧では『ヨハンセン』や
『アンデルセン』などの『~SEN』がつく姓。これはどちらも『~の息子』とい
う意味で、血縁が中心の部族社会だった時代に広まった姓だそうです。こうした
「~の息子」を意味する姓は世界各地で見られて、ロシアの「イワノフ」や、
「ロマノフ」に共通する「~OV」、そして中欧・東欧によく見られる「ストイコ
ビッチ」や「ジョボビッチ」のような「~IC」などはいずれもこのパターンです。
その他、ポーランドなどでよくある『チャイコフスキー』のような『~SKI』や、オランダの『ファン・バステン』『ファン・ニステルローイ』の『ファン』(VAN~)は『~生まれ(出身)』という意味を示しています。こうした傾向を知っていれば、名前を聞いただけでどこの国の出身か、ある程度は分かりそうな気がします。
では、“名”の方はどうかというと、ヨーロッパでは同じ語源を持つ名が各地にあり、各地域や民族ごとに変化しているケースが多いと言います。例えば、アメリカなどの英語圏で多い『ジョン』という名は、イタリアでは『ジョバンニ』、フランスでは『ジャン』、ドイツでは『ヨハン』、ロシアでは『イワン』と呼ばれます。
思えば日本もその昔、男は「○○夫(男)」、女は「○○子」というのが非常に多かったわけですから、おかしな事ではありません。むしろ子供に何人か分からないような名前を平気でつける最近の日本が、世界基準に逆行していると言えるかもしれません。(N)
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