はなしのたね。2016.vol.17
1:「欺瞞」のはなし。~後編~
 前編では「人間はわずか3歳にして嘘をつくこと=欺瞞(ぎまん)を覚える、悪魔のような生き物である」というダークな話で終わりました。今回はその後編で「それだけではないんだよ」というお話。
 嘘をつくには非常に高度な心理の動きを理解する必要があります。自分と他人の区別をつけ、自分が存在するのと同じように他人も存在し、さらにそれぞれ異なった思考を持つ、という「自己認識」を確立しなければいけないからです。子供がこれをできているか判断する簡単なテストがあります。①子供にお菓子の箱を見せ、この中に何が入っていると思うか尋ねる ②当然子供は「お菓子!」と答える ③そこで箱を開け、実は鉛筆が入っていることを示す(もちろん鉛筆を予め入れておく) ④鉛筆を箱に戻し「今からこれをお友達の○○ちゃんに見せると、○○ちゃんは中に何が入っていると思うかな?」と尋ねる
 この質問に対してその子供が「鉛筆」と答えたなら、それはその子供が他人の考えを理解できる段階に至っていない、つまり自分と他人の区別をつけることができていない、ということになります。他人の心を察することができるなら「お菓子」と答えるはずです。これはスマーティ・テストという、他人の心を推察する能力を調べるテストです。
 この「自己認識」ができるようになるから、子供は嘘をつくようになります。嘘をつくのは悪いことですが、逆に自己認識ができていなければそれは大変なことです。自分と他人の区別があるから、人に優しくしたり相手を思いやったりすることができ、反対に人が嫌がることや痛がることをしないでいられるわけです。ですから「子供が嘘をつくようになること」は立派な成長であり、優しさを覚えるための第一歩である、ということが言えます。もちろん嘘をつき続ける人間になってはいけませんから、そこからしっかりと導いてあげるのが大人(親)の役割です。でなければ、本当に悪魔のような存在になってしまうでしょう。
 余談になりますが「自己認識」には右脳の働きが強く影響しているといいます。そのため右脳をよく使う左利きの人は、右利きの人よりも嘘を見抜く力が優れているという説があります。さらに男性より女性の方が、欺瞞の検地に関しては鋭いと昔からよく言われます。左利きの女性と付き合っている男性の方、ご注意を!(N)

2:「アタマの体操・シケパ(脳トレ編)」
人間、読み書き算盤が肝心。脳を活性化しアンチエイジングに最適です。お役立て下さい。

【問題】
①この式の答えは?
②これ、何?
③マッチ棒でできた式、1本動かして、式を完成させてください

3:ハナタネ寄席
★病院で診察待ち中、辛そうにしてる子供を「すぐ治るからね」と励ましてるお母さんがいた。その最中に僕が呼ばれて立ち上がったら、 お母さんが子供に「見てて。あの人も診察が終わったら元気になってるから」と、いきなり希望を背負わせてきたので、診察室を出る時にスキップして出た。 そこに親子の姿はなかった。
4: 
前回の答え
①口(囲いの枠でなく「くち」の漢字)
②な(東西南北の頭文字)
③45÷5×9=81