はなしのたね。2016.vol.20
1:「カシアス・クレイ」のはなし。
 アメリカ・ケンタッキー州ルイビルを流れるオハイオ川の底には、金メダルが沈んでいます。それはこの町出身のボクシング選手、カシアス・クレイが、1960年のローマ五輪で獲得したもの。黒人であったカシアスはオリンピックで金メダルを獲得し凱旋帰国したにもかかわらず、レストランで入店を拒まれたのです。メダルを見せても無視され、彼は黒人差別への怒りから、メダルを川に投げ捨てたと言います。
 そんなマイナーなボクシング選手の話、興味ないですか?でもこれ実は、誰もが知っている超有名ボクサーの逸話です。カシアス・クレイは改名する前の名前。その男は今月3日、74歳で亡くなった「モハメド・アリ」です。通算成績61戦56勝(37KO)、世界ヘビー級王座を獲得すること3回、今なお史上最強のボクサーとしてその名を残す伝説の男です。
 アリの戦いはリングの上だけではありませんでした。その生涯は常に人種差別との戦い。改名したのはイスラム教に改宗したからなのですが、改宗の際に「奴隷の名前はいらない」と言い放ったそうです。「名前は本来人種を表す。なぜアメリカに住む黒人は、白人からもらった名前を名乗らされるのか」―――つまり、白人たちの文化の中で与えられた名前は、彼にとって差別の象徴だったのです。 アリはベトナム戦争の徴兵も拒否し、アメリカ政府とも長期に渡って争っています。その際にも「ベトナム人はオレを差別しない。オレがベトナム人を殺しに行く理由は何もない」と語っています。ちなみに徴兵拒否を理由にアリはボクシングライセンスと世界タイトルを剥奪されています。しかしその後、3年7ヶ月という長いブランクをものともせず王座奪還を果たすのです。
 アリがボクシングを始めたのは12歳のとき。買ったばかりの自転車を盗まれ、近くにいた警察官に届け出ます。「犯人をたたきのめしてやる!」と息巻く少年に、ボクシングジムのコーチも務めていた警察官は意外なアドバイスをします。「まず、ケンカのやり方を身につけたらどうだろう」これが最強ボクサー誕生の瞬間でした。「俺は、自転車を盗んだやつを今でも捜し出して、ぶちのめしてやるつもりだ」晩年のインタビューでそう語っています。
 ソニー・リストンやジョージ・フォアマン、アントニオ猪木など数々の強敵と戦ったモハメド・アリ。しかし彼にとって最大の敵は、人種差別という黒い霧に染められた「カシアス・クレイ」だったのかもしれません。あ、あと自転車泥棒も追加か。(N)

2:「アタマの体操・シケパ(脳トレ編)」
人間、読み書き算盤が肝心。脳を活性化しアンチエイジングに最適です。お役立て下さい。

【問題】
①これ、何と読む?
②マッチ棒でできた「夫」、2本加えて「女性に」してください
③「?」に入る数字は?

3:ハナタネ寄席
★「友人は嫁にスマホを見られたくないので、ロックを指紋認証にしている」という話を自分の嫁にしたら、「その人もバカだね~。旦那が寝てる間にいくらでも指なんかつまんで照合できるじゃん」と間髪いれずに言われた。やはり女というのは恐ろしい生き物である。
4: 
前回の答え
①ケニア(毛2ア)
②成功(他はアルファベットで作れる)
③87÷3+16=45

5: