はなしのたね。2016.vol.23
1:「托卵(たくらん)」のはなし。
 托卵とは、自分では巣を作らずに他の鳥の巣に自分の卵を産みつけて育ててもらうことです。托卵でよく知られているのは「カッコウ」です。カッコウはオオヨシキリ、ホオジロ、モズ、オナガ等の巣に托卵をします。自分の体よりも大きなカッコウの雛にエサを与えるオオヨシキリの写真を見たことがある方もみえるかもしれません。
 驚くべきはその完成されたシステム。カッコウの卵は比較的短期間(10~12日程度)で孵化します。これは巣の持ち主の雛より早いことがほとんどです。孵化したカッコウの雛は、巣の持ち主の卵や雛を巣の外に押し出してしまいます。その時点でカッコウの雛は仮親の唯一の雛となり、仮親の本能に依存してエサをもらい成長していきます。さらにカッコウの親も托卵を見破られないようにするため、自らの卵の色や斑紋などを仮親の卵に似せることができます。また、托卵する際に仮親の卵を巣から出して数合わせを行う場合まであるそうです。巣の中に仮親の卵が5個あって、そこに自分の卵を1個産み付けたら、仮親の卵を1個、巣の外に出してしまうのです。鳥が数を数えられるとは思えません。進化とは実に恐ろしいものです。
 もちろん托卵される側の鳥も黙ってはいません。カッコウが巣に近づいたら猛烈に攻撃したり、托卵されてしまった場合でも孵化する前に区別して卵を放り出したりして対抗手段をとっています。先ほど挙げたオナガという鳥は、カッコウに托卵されるようになったのが比較的最近です。カッコウもターゲットを巧みに変えながら托卵をしているのです。オナガは托卵されるようになった当初、対抗手段を持っておらず、地域によっては8割がカッコウに托卵されてしまいました。当然そのまま行けばオナガは絶滅してしまいます。ところがオナガは托卵され始めてからたった10年足らずで、カッコウに対する攻撃性と卵の識別能力を習得します。厳しい生存競争の中、わずかな期間で種としての進化を遂げるわけです。
 托卵という仕組みは人間の目から見れば非常にずる賢く図々しいものに感じられます。ただ昨今 頻発している幼児虐待死のニュースなどを見ると、人間の子育ても如何なものかという気になります。実の親元でなく、別のところで育てられていたら・・・「産みの親より育ての親」とは、よく言ったもんです。きっとカッコウの雛も、エサをくれたモズなど仮親のことを「お母さん」だと思って感謝しているモズ。いや、ハズ。(N)

2:「アタマの体操・シケパ(脳トレ編)」
 人間、読み書き算盤が肝心。脳を活性化しアンチエイジングに最適です。お役立て下さい。

【問題】
①これ、何と読む?
②これ、何と読む?
③マッチ棒でできた式、1本動かして、式を完成させてください

3:ハナタネ寄席 ~7月7日にちなんで七夕編~
★織姫と彦星が年1回しか会えないのは、2人を引き離した天帝が「7日に1度、会ってよい」と言ったのを、2人が勝手に「7月7日に会ってよい」と聞き間違えたから、という説がある。
★織姫は「ベガ」、彦星は「アルタイル」。でも「夏の大三角形!」と大々的に打ち出されていながら、七夕のとき全く名前の出ない、たのきんトリオのよっちゃん的存在「デネブ」のことも、忘れないであげてください。

4: 
前回の答え
①5(漢字にしたときの画数)
②清少納言
③17×2+46=80