はなしのたね。2018.vol.11
1:「私的トイ・ストーリー」のはなし。
 女性が言う素敵な男性の要素に「少年のような心を持った人」というのがよくあります。どういう人やねん!と突っ込む方が多いですが、私はそんな男性をたった一人ですが知っています―――
 米玩具販売大手トイザラスが、米国内の全735店舗を閉鎖し、事業を清算すると発表しました。事実上の経営破綻です。日本に上陸したときはまさに「黒船来襲」。街中にあった数々のおもちゃ屋さんに大打撃を与え、消えていく店舗を続出させました。私が子どもの頃、大好きだった近所のおもちゃ屋さんもその犠牲になりました。なぜそのおもちゃ屋さんが大好きだったか・・・もちろん子どもなのでおもちゃ自体が大好きでしたが、一番の理由はそこで働く店長さんの存在でした。今で言うイケメン店長だったのですが、とにかく笑顔が印象的で、ずっとニコニコで仕事をしていたのです。その瞳はキラキラと輝き、子どもながらに「ああ、この人はおもちゃが大好きなんだな」と感じたのです。そしてそんな店長さんの気持ちがおもちゃに乗り移ったのか、店に入ると展示してあるおもちゃ達が「さあ、僕達と一緒に遊ぼうよ!」と語りかけてくる気がしていました。
 そんなある日、近所のショッピングセンター内にあのトイザラスがやってきました。まだ幼かった私は、とんでもなくデカイおもちゃ屋さんができる!とワクワクしていました。そして喜び勇んでトイザラスに乗り込んだのですが、期待は見事に裏切られました。マニュアル通り冷徹に、とても子どもの背では届かない高さまで平気で陳列された商品・・・、機械的に打ち出された、値段だけがデカデカと表示されたポップ・・・、そして何よりもただ生活するためだけに、無機質に働く笑顔のない従業員・・・。そこは私が大好きだった「おもちゃ屋さん」ではなく、ただの「おもちゃ販売スペース」でした。

2: 
 月日は流れ、近所のおもちゃ屋さんはなくなりました。最後にその店で買い物をしたとき(そのときは既にファミコンショップになっていた)、あの店長さんの顔からは笑顔が消え、生気が失われていました。その表情が今でも忘れられません。未だに建物だけが残るその場所を通るとき、「あの店長さんは今ごろ何をしてるんだろう」といつも思ってしまうのです。
 だからと言って、今回のトイザラスの経営破綻を「ざまあみやがれ」とは思いません。むしろ「おもちゃ」というかけがえのない存在が、子ども達からさらに遠のいてしまうのではないかと心配になります。現代の子ども達にとっておもちゃとは何を指すのか?TVゲームのことでしょうか?スマホのことでしょうか?そしてそれらで遊んだ子ども達は、果たしてあの店長さんのような「素敵な大人」になれるのでしょうか?何も買わなくても、入るだけで幸せな気分になれる素敵なおもちゃ屋さんが増えてくれるといいなあと思います。スマホなんかより、おもちゃでいろいろ工夫しながら遊ぶ方が100倍楽しいぜ、子ども達よ!(N) 

3:「アタマの体操・シケパ(脳トレ編)」
~脳を活性化しアンチエイジングに最適です。お役立て下さい。~
【問題】
 ①「車」はA・Bどちらに入る?  
 ②これ、何?(ある競技です)  
 ③この創作漢字、何と読む?

4:前回の答え
①18(足し引きすると九九の言葉)、②87(逆さにして見てください)、③よん(□の中に入れると漢字に)
5:ハナタネ寄席
★古くてボロボロになったヤカンを1時間ぐらいかけて一生懸命磨いたらピッカピカになりました。でも使おうとしたら取っ手がもげたので捨てました。時間返せ。