秋から冬にかけて楽しみがある。旬の食材に出会えることだ。陸では銀杏(ぎんなん)と柿、海でも牡蠣(かき)だ。
銀杏は、街路樹としてお馴染みのイチョウの樹に成る果実で、異臭を放つため、嫌われることもある。しかし、その果実は炒って塩をかけて食べると絶品だ。そのヒスイ色の実は艶があり美しい。ところでイチョウには、オス株とメス株がある。当然、実が成るのはメス株だ。イチョウは、針葉樹にも広葉樹にも属さない原始的な樹木で、特異である。そんな特異な樹木が身近にあることが面白い。
日本の秋の果実といえば、やはり柿だ。私たちが住む岐阜の町でも、柿が栽培されている。富有柿、次郎柿など生食もよい。蜂屋柿などの干し柿などもウマイ。かの織田信長も京都の公家に贈答品として柿を送った。当時は、甘味が貴重だったため、甘い蜂屋柿が重宝されたのだ。柿は今でも岐阜の宝だ。
海の牡蠣は、Rの付く月に食すとウマイという。逆に言えば、5月~8月はマズイということになる。したがって、産卵期明けの秋から冬の牡蠣がウマイのだ。日本人は昔から牡蠣が好きだ。縄文時代の貝塚から牡蠣の貝殻が出土している。ハマグリに次いで牡蠣が好まれたようだ。グルメな縄文人。
銀杏、柿、牡蠣、なんとなく日陰の彼ら。しかし、季節になると会いたくなる。日陰の彼らの魅力とは…。ちょっと見習いたい。
いちょう、かきました。
えいぎょうぶ、Sが担当しました。
おあとがよろしいようで…。